平成16年度基礎ゼミ
風間聡


川の利用と環境保全

!最新!お知らせ

大学の全学教育審議会から「基礎ゼミ」発表会の募集が川内の掲示板に出ています.

参加希望者(グループ)は教務課へ8月3日までに連絡してください.

ポスターの作成や発表内容について指導,相談にのります.メールで連絡ください.



第九回 7月12日月曜14時40分〜 A303教室

最終発表会.全班パワーポイントで発表.


発表のスライド:
1班2班3班4班5班

pdfファイルを読むには  からフリーソフトをダウンロード.


総括:
各班とも良く調べた.自前の論点を展開している点は非常に評価できる.
本格的な研究では自分で調査,観測する必要性に留意.
レポートは図が豊富でよく書けている.内容も多い.
ただ,中間発表で述べたこと全て載せてくれればもっとよかった.

将来,立派な研究者になってください.河川に関した仕事をすることがあればご一緒しましょう.




第八回 6月28日月曜14時40分〜 A303教室

班別中間発表会.4班はPowerPointでのスライドを作成.
5班はレポートを提出せず.全体と各班へのコメントは以下の通り.

全体:


問い合わせ先は,風間聡か院生の川越君まで.なお,風間聡は7月5日から8日まで居ません.
その間は川越君に問い合わせてください.デジカメ等の貸し出しや画像の読み込み,スライドの作成指導を行います.


次回7月12日が最終発表会.
一班15分以内.A4用紙のレポートを提出.(ページ数は問わない)


領収書を忘れずに持ってくること.


レポートの書き方

基本1 絶対必要なこと
  日付,課題名,執筆者
基本2 構成
  読む人が流れをわかりやすい構成にする
  (例 目次,方法,結果,考察)
基本3 参考にした資料は必ず出展元を示す

標準1
  正しい日本語を書く
  主語述語に気を配る.副詞の位置に気をつける.
標準2
  不必要な文は除く.前後の流れをスムーズにする.

応用1
  図やグラフを多めに使う.図は雄弁である.
応用2
  箇条書きが読みやすい.


発表の仕方

 時間配分に気を配る.
 1枚1分が目安.
 小さい文字は読む人を考えていない.
 読み上げるのならスライドは不要.
 写真や絵を中心にスライドを作る.
 構成を考える.はじめに説明する概要を話すと理解しやすい.


第七回 6月14日月曜14時40分〜 A303教室

班別中間発表会.各班の発表を行った.
注意点と改良点を指摘.初めてということもあり,中学校の自由研究程度.
レポートもばらばらであった.


第六回-2 6月12日土曜9時〜

参加者:佐藤,石川,チューン,柳沼,指田,谷口
TA:川越(水環境システム学研究室 川越)
コース:川内ー水道記念館ー青下第一ダムー量水堰ー斉勝橋ー綱木川

雨は上がり曇りで過ごしやすい.

前回同様,水道記念館にて水の利用について学習.
アンケートに答えてもらえる賞品はやっぱり全てスカ.



いつも空いている.記念写真など.

雨の後ということで流量が多い.青下ダム,堰ともに越流.


第六回-3 6月12日土曜13時〜

参加者:宇野,森,佐川,服部,八重樫,山本
TA:川越(水環境システム学研究室 川越)
コース:川内ー水道記念館ー青下第一ダムー量水堰ー斉勝橋ー綱木川

晴れてきて暑くなる.流量は午前中より減少.越流も堰では見れず.


くじは結局全員ダメ!!!


水道記念館では細かい説明もある.ゲームでは間違音が響く.

講演にはビオトープらしきものが.

斉勝川.コンクリート護岸の上部に植生わくが見られる.中州はいい感じ.

多自然型護岸は日陰では植生が見られず.


第六回-1 6月5日土曜9時〜 広瀬川上流

参加者:菊地,本田,瀧原,小塚,結城 (山本,欠席)
TA:川越(水環境システム学研究室 川越)
コース:川内ー水道記念館ー青下第一ダムー量水堰ー斉勝橋ー綱木川

快晴で暑い....


水道記念館にて水の利用について学習.
アンケートに答えてもらえる賞品は全てスカ.
http://www.suidou.city.sendai.jp/09/09_1.html
ビデオで学ぶ

青下第一ダム

昭和9年の重力式ダム.昔の構造物が古くなり周囲になじんでいる.
文化財に指定されている.サブダムも設置.

操作規程等.http://www.city.sendai.jp/soumu/bunsyo/reiki/reiki_honbun/a6000673001.html


量水堰
 
ダムの流入量を計測.右は青下川.量水堰より上流を見る.

排砂ゲートがある.記念館の人の話によると時々浚渫するようだ.
魚影は無い.水位は越流しない程度.

これも文化財指定.http://www.city.sendai.jp/kyouiku/bunkazai/database/c0000000175.html


斉勝橋では典型的な都市型河川を見る.
ただし,護岸上部は植生に配慮した構造になっている.
砂州が交互に出来,植生も繁茂しておりやや自然型風.
床固工が施されている部分もある.


綱木川多自然護岸.

段々に丸太と組んで植生が繁茂できるようになっている.
河床面にはキャビティがあり,生物の退避場所を提供している.
澱んでいる場所の水は汚い.
一部屈曲部はコンクリートで護岸されている.
大きい河川ではこういった護岸はできない.流されてしまう.

この事業概要は,
http://www.city.sendai.jp/kensetsu/gesui/kasen/kaisyu.html
に一部がある.


第四回 5月24日月曜14時40分〜 A303教室

個人調査の中間発表会.

1班

チューン:メコン河の概説。チベットから黄金三角地点までを上流。ここから河口までが下流。気候の説明。乾季と雨季。モンスーンの説明。河川の水位差は10m位。侵食問題がある。2000年の洪水について説明。
石川:ダム開発が与える影響。日本の本州程度の国土。ナムテン2ダム。450km2が水没。資金不足で建設されないかもしれない。移転と森林伐採が進む。環境へ与える影響が深刻。
佐藤:ダムについて調べた。ダムの定義。地盤高から堤頂が15m以上をダムという。洪水の調節。正常流量の維持。生活用水の供給。発電。水力ダムの注目される。ダムの種類について説明。
柳沼:ダム開発の実情。農作業の被害。道路の冠水。堤防の決壊。高地の人口集中。ダムは水力発電を期待。外貨を稼ぐ。安定した電力供給が難しい。ダムに予想された水がたまらない。期待された電力が得られない。水没者の移転問題。
(コメント)実例を挙げる。具体的な数字を調べる。資料によって数値が違う。なぜ? どうしてという疑問を見る。良いことと悪いことを整理する。資料に述べていることの裏側を考える.

2班
指田:中州林はなぜ出来るか? 上流からの土砂と流量が減少して20年前から出来るようになって。中州には栄養や水分が富んでいるので樹木の生長が激しい。森林の減少に伴い浸透量が減った。その対策として浸透性舗装。
谷口:メリットとデメリット。メリットは野鳥が必要。樹木の日傘効果によって生物がすめる。中州が原風景であって親しむ。本来の草本が消滅している。樹木が多くなれば洪水になる。3500m3/sが生じると木が流れ、流木が発生すれば被害が拡大。
菊地:広瀬川を中心だけど他の河川の事例を調べた。広瀬川のような事例がネットが少ない。外来種の問題。ハリエンジュが発達が早い(渡良瀬川)。問題解決の対立。シンポジウムの必要性。千種川の事例。ごみに不法投棄の問題。
結城:中州の生物について。温帯と冷帯に属しているが乾燥地もある。落葉広葉樹が多い。(白柳。おのえ柳。いぬこり柳)。野鳥の場。つる性が多い。
(コメント)なぜ他の場所では問題にならないのか? 問題になる川はどういった川か? 安定した流量と洪水流量がどうなったか調べる.洪水が多ければ土砂は流れる.土砂粒径について調べる.

3班
森:橋脚の施工について調べた。橋脚の杭基礎工事法.浸水防止工(矢板)。ケーシングチューブの導入。騒音振動から守るため水のジェット噴射やドリルによる誘導。フーチング。
佐川:橋脚の川と土砂の影響。橋脚に当たると下方向の流れが強くなり洗掘が起こる。捨石。
宇野(物理):生物への影響。橋脚の生物の指標は無い。基礎のタイプ+川底タイプ+魚のタイプ。橋脚の上下流の影響。
(コメント)橋脚の影響が効く流量と河川の規模。間接資料で議論の展開が可能.

4班
本田:材料、構造、費用について調べる。雨水、地下水、汚水を処理するためのもの。公共下水道、流域下水。都市下水道。汚水処理まではいる。二つ以上の市町村をまたぎ、末端で処理。自然流下する。歴史と工事法について。受益者負担。4700kmの下水延長。22から32年260kmの延長工事。
山本:雨の対策が大きい。雨水管が重要である。分流式と合流式の問題。
瀧原:下水の歴史。下水整備以前の四谷用水。1600年位が作った。四谷用水。4つの谷とトンネル。明治維新で管理が行き届かない。交通の妨害。チフスの蔓延。日本で3番目の下水。し尿の投棄によって水質悪化が進む。13年度水洗化は91%。S61年洪水で下水が注目。
(コメント)次回は深く掘り下げた内容を.最近の下水問題を調べてみる.分散型処理施設やコスト,水資源問題.

5班
八重樫:他の水生生物について調べる。日本の魚道は小型魚が中心。大型魚には配慮されていない。藻屑カニ。うなぎ用。昆虫の魚道は無い。自然型の魚道。自然の石を用いたもの。土砂や流木の問題。水が少ないと水質悪化が起こる。鳥の餌場になる。人が近づけるので人災が起こる。
服部:魚道の種類。目的別区分。遡上用、降下用。選別用魚道。プールタイプ他。水理方区分。ダム、堰のタイプによる区分。
小塚:魚道の生理生態。遡上する魚の種類。生態。鮎は夕方に上る。ウグイは夜。鮭は昼間に遡上する。生態による管理が大事。呼び水の設置。商業目的にそった特定魚類に偏った魚道に対する問題。鮎は2m/sで泳ぐ。魚の生態に詳しくなければならない。ししゃもも川で産卵する。エツは深海にいるけどこれも魚道を通過する。
(コメント)魚道の歴史と変遷を調べる。どういった魚道が理想か提言してみる.川の規模と魚道の関係は?


第三回 5月10日月曜14時40分〜 A303教室

テーマの確定と研究立案.

プロポーザルの仕方を考える.

関連文献を渡し研究のまとめ方を指導.どの部分を明らかにするのか,どのように進めるのか,役割分担を決定した.

題名 最終目標 構成
メコン河におけるダムの必要性
とその影響
ダムの必要性とその影響
を理解する
背景
洪水と氾濫の現状
ダムの必要性
ダム開発の現状
問題点
問題点の解決策
今後の課題
中州林の発達と対策 中州林をどうするか結論を
出す!!!
発達過程
メリットとデメリット
各地の対応例
中州の生態系
結論
橋脚の施工による水流と
土砂の変化が生物に与える影響
施工とその後の環境変化
について理解する
橋脚の形状
環境変化
  通常流量
  洪水流量
実験
生物変化
まとめ
仙台市下水道の背景と
現在までの変遷
下水道の問題点を抽出し,
改善策を提示する.
歴史,構造,機能
水量と水質
費用
種類
流路
汚泥の処理
(ヒアリングと現地)
魚道の効果とその周辺環境 魚道の現状を理解する 魚道の構造
周辺生態系
効果
種類
魚の種類
魚以外の生物効果
水質
通過量



第二回 4月26日月曜14時40分〜 A303教室

河川構造物の説明を教室で行う.その後,澱橋で広瀬川の河岸の説明.

ポンプ場→堤防→護岸→放水口→河畔(堆積土砂)
→砂州林→河岸畑→橋脚→高水敷

説明項目:
河岸段丘,瀬と淵,合流式と分流式下水道,緑の回廊
親水性,ミティゲーション他他

たくさんの専門用語で覚えきれない.興味のあった部分を忘れなければ良い.
中州の土砂がたまる理由や橋脚周りの流れ,河川の浸食等の概略がわければこの屋外講義は成功と言えます.

なんだっけ?と思ったら以下のHPで調べられる.

一般的な用語については
http://www.ob.hkd.mlit.go.jp/hp/tisui/yougo/ft-y.html
アメリカと日本のミティゲーションの違いは
http://homepage2.nifty.com/research/czm-mitigation.htm


時間があれば少し上流の牛越橋付近も面白い.三居沢発電所前後で流量が違う.
橋脚が違う型である.両岸に護岸があり,河岸段丘が上流側にしっかり見える.



橋脚下.右は河岸の畑地のその説明の立て看.(画像をクリックで拡大)

橋脚付近では枝を投げて流況をチェック.なかなか筋が良い!
あーいった流れない領域をよどみ域という.澱橋だから?


第一回 4月19日月曜14時40分〜 A303教室

1.講義の概要について説明
2.今後の予定
   5月24日に第一回調査報告
3.5グループに分けて課題の決定(暫定)

メンバー 課題(暫定)
佐藤,石川,チューン,柳沼 メコン河と日本の川の流路形状の分類とその原因
結城,指田,菊地,谷口 中州の発達機構とその利用
宇野,森,佐川 橋脚の構造と生物への影響
山本,本田,瀧原 流路変更による植生環境への影響
小塚,服部,八重樫 魚道の歴史と効果と展望

まずはインターネットや図書館で関連情報を集める.
1班と2班には文系の視点を用意してみてください.
色々調べていく間にテーマを変更しても良い.5月10日には本決定する.



次回は4月26日に一度教室に集合.その後,広瀬川を見てみる.




授業の目的と概要:
川は人間が太古から利用してきた場所であると同時に自然環境の場である。 川の水や場がどのように利用され,我々の生活を守り,豊かにしているかを 学ぶ.また,そのような川の利用が自然環境にどのような影響を及ぼしてい るかを現地見学等を通して考察する。

学習の到達目標:
・川の多目的な利用を理解する。
・洪水に対してどのような工夫が川にされているかを理解する。
・こうした構造物が川の自然環境にどのような影響を与えているか,また自然に優しい設計とはどのようなものかを理解する。

授業の内容・方法と進度予定:
・自然の水の循環
・水道や灌漑による水の循環
・川の水の利用(水道博物館の見学)
・河川構造物の見学(広瀬川他見学)
・河川環境と多自然工法の見学(広瀬川他見学)
・防災と水資源と環境の議論

成績評価方法:
レポートと課題発表を評価する。

教科書および参考書:
教科書は使用しないが、開講時ならびに必要に応じて随時、 参考文献を紹介する。