創造工学研修

広瀬川に行って環境変化を見てみよう

建築・社会環境工学科 風間聡   TA 千葉皓太

第9回
12月8日木曜16時20分M303教室.最終回.
河川デザインの発表.
発表スライドのサンプル:ここにあります.参考.

各自の発表を聞いて皆が採点をしました.その結果は以下の通り.
合計 青木 天野 岡山 倉本 千葉 森川
安全 31 38 26 33 37 31
環境 30 31 26 37 42 33
利用 38 35 47 31 31 42

lこの結果に前回得たAHPによる重みを付けて採点した結果が以下の通り.
河川評価
要素 青木 天野 岡山 倉本 千葉 森川
安全 0.4 0.62 0.76 0.52 0.66 0.74 0.62
環境 0.33 0.6 0.62 0.52 0.74 0.84 0.66
利用 0.27 0.76 0.7 0.94 0.62 0.62 0.84
合計 0.651 0.698 0.633 0.676 0.741 0.693

点数はばらつきがありますが,全く差がつきませんでした.しかし,重みの大きい安全の点数が合計点に影響を与えたことがわかります.

ちなみに専門家(教員とTA)の結果は以下の通り.
要素 青木 天野 岡山 倉本 千葉 森川
安全 0.4 0.5 0.8 0.65 0.5 0.85 0.55
環境 0.33 0.75 0.7 0.55 0.8 0.9 0.7
利用 0.27 0.85 0.8 0.95 0.8 0.6 0.9
合計 0.677 0.767 0.698 0.68 0.799 0.694

3位以下の順番が変わっています.大変興味深い結果となりました.学んで欲しいことは定性的なことも,このように定量的に(数値で)表現できることです.

河川マニアとして今後は色々な川を見てもらえれば幸いです.


情報:
川のサウナ:丸森町MARUMORI-SAUNA
堤防上のカフェなど名取市::かわまちてらす閖上



第8回
11月27日土曜8時30分川内駅バス停集合.現地見学.車2台で回りました.
綱木川多自然型護岸,名取頭首工,釜房ダム,北川河川公園を見ました.


綱木川:経年でより生物が住みやすくなる.大きい河川には多自然護岸はむかない.
名取頭首工:農業用の堰を頭首工という.取水量は季節によって違う.魚道は様々な種類がある.
釜房ダム:水質改善のための曝気槽が設置.多目的ダム(洪水,水道,河川維持,発電)
北川河川公園:親水公園.用水路を利用.維持管理が大変.


綱木川多自然型護岸

寒い...

名取頭首工
階段式魚道

なんと工事中でした

釜房ダム

お決まり

ダム見学館

50周年記念のダムカードをもらいました

感想記入

昼食のダムカレー

ごはんが堤体のダムカレーもあり

密にならないように
ちょっと残念

カモシカ茶屋
北川河川公園の写真を忘れてました.


終了後に大雨.見学中でなくてよかったですが,帰りが大変.


第7回
11月18日木曜16時20分M303教室.
河川の評価方法を考察します.安全の要素が低い理由は? 利用をあげるには?

河川を評価するには指標の点数を全て合計するやり方が最も単純です.でもいくらでも指標をあげることができます.

それよりも要素に点数を付けたほうが数も少なくわかりやすいです.でも各要素の重要度は異なると思われます.なので要素の重みを求める方法を紹介しました.1つは経済価値化することです.仮想市場法や代替法などが知られています.もう一つは階層分析法と呼ばれるAHP(Analytic Hierarchy Process)です.この方法を学びました.

6人のそれぞれの主観で判断した重みは以下の通りです.

要素 天野 倉本 千葉 青木 森川 岡山
利用 5 3 5 5 6
安全 8 8 9 8 4 8
環境 8 7 6 5 7 3
合計 21 18 20 18 16 17

これでは各自の持ち点が異なりますので値を合計で除した割合で表示します.

要素 天野 倉本 千葉 青木 森川 岡山 平均
利用 0.24 0.17 0.25 0.28 0.31 0.35 0.27
安全 0.38 0.44 0.45 0.44 0.25 0.47 0.40
環境 0.38 0.39 0.30 0.28 0.44 0.18 0.33
合計 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 

全員(専門家)の判断は公平に平均しました.重み(重要度)は安全>環境>利用と河川行政の考える方向に近いかもしれません.この(利用,安全,環境)の重みを1行3列の行列A1iとし,同様に正規化した6人の河川の採点を3列6行の行列Bijとすると各人の採点結果はA×Bで得ることができます.ここでiは要素,jは各人になります.

AHPの優れているところは要素の中身を増やすことが容易であることです.例えば前回に選んだ安全の水難事故件数と水位上昇度を加える場合,それぞれの重みの合計が安全全体の重み0.40を満足するように決めれば良く,いくらでも指標を増やすことができます.安全の行を削除して,水難事故件数と水位上昇度の行を加えれば良く,あとは同様にA×Bの行列を求めれば良いのです.こうしてどんどん指標を増やす,または減らすことができます.入れ子のように水位上昇度を消して,水位時間上昇度,水位上昇高さを加えていっても同様のことができます.

本番はこのAHPを使って皆さんの河川デザインを採点してみましょう.


第6回
11月11日木曜16時20分M303教室.
河川をデザインしてみます.その評価について話をします.考えられる評価項目を皆であげてみました.

要素 指標 数値化   重み
利用 教育目的の訪問数 人/年     
安全 水難事故件数  件/年     
環境 NPO,NGO数  団体     
安全 水位上昇度  m/hr  過去の洪水  
環境 景観アンケート(良いとの回答)  季節性あり   
利用 SNS発信数  件/年     
環境  重要種生物数     
利用 農業用水の割合     
環境 生物多様性(種数) エントロピー   
利用 1人当たり滞在時間  hr     
利用 アンケート(満足度)     
環境  汚染度(全リン濃度)  ppm     
利用  高水敷面積  m2     
利用  訪問数  人/年     
利用 年齢層の厚さ  才     
安全 河川断面積の阻害割合     
 16        

項目を3種類にまとめました.16の指標のうち安全が3,環境が5,利用が8でした.


第5回
11月4日木曜16時20分M303教室.
河川の管理と構造について話をしました.河川は河川法の治水,利水,環境の3本柱によって管理されてます. 治水について堤防の話をしました.
ぜひ河川構造物を見に行って発見してください.


第4回
10月28日木曜16時30分牛越橋集合.赤外線温度計(非接触温度計)で川周辺の色々なものの温度を測りました.
草が4度は低すぎ....

コンクリートや芋煮会の窯の温度が高い.色や水分,比熱などが関係あることがわかりました.
都市の中にあれば気象の緩和作用がありそうですね.


第3回
10月21日木曜16時30分牛越橋集合.広瀬川上流右岸で水生生物を採集しました.
色々な種類の虫がいます.今まで気づきませんでしたね.触れましたか?
こうした昆虫が枝葉を小さくしたり,魚などの餌になったりして生態系を形作ってます.



第2回
10月14日木曜16時30分牛越橋集合.広瀬川上流右岸でライジャケを付けて胴長(ウェーダー)を履いて川に入りました.

入る前に流速と水温を予想してもらいました.その後,入って水温と流速を計測しました.
また,大きな石の直径を計測しました.

水温は18度(高め
!).流速は0.3m/s.大きな石は直径30cm位.
水温や流速を体感してもらいました.また,洪水時に運ばれる石の大きさを知りました.

水切りでは7回が優勝でお菓子をゲットしました.なお,皆にはダイビングでも使える野帳を配りました.



第1回
10月7日木曜16時20分 オンライン
今後の進め方について話をしました.
おおよそ10月は観測してデータ収集,11月はデータ分析,12月はまとめをします.

本演習には
千葉君(き),森川君(き),天野君(で),岡山君(で),倉本君(で),青木君(け)
の6人が参加しています.

河川について色々勉強してくださいね.

次回は,広瀬川に行って採水や分析をします.汚れもよい恰好できてください.


実際に河原にいって様々な環境を計測して,その変化を見ます.

河川の見方,環境の状態,都市計画への利用を学びます.


実際の活動

作業1:河川の構造を学ぶ.(治水,利水,親水)
作業2:生物を調べる.
作業3:快適,安全と河川環境の関わりを考察する.
作業4:影響を数値化する.
作業5:理想的な河川をデザインしてみる.

ここまで出来れば単位習得.研究の基本はOK.
以下はかなりつっこんだ問題です.余力のある人は挑戦してください.

作業6:海外の河川と比較してみる.
作業7:英語で発表してみる?



進め方

分量は問いませんが,作業を日記調に綴ってください.レポートの書き方はこちらで指導します.PCは自分のものを利用しても構いませんし,無ければ研究室のものを使ってください.

最終的な成果はHP上に名前入りで公開します.

不明な点は随時,研究室の学生または私に相談してください.

E-mailでの連絡先はこちら.

過去の創造工学研修成果
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その他


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